Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.53

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World Message Magazine

 

「私はいつもので。」
「おふたりは何になさいます?」女将が聞いた。
「適当に注文してください。」モネが言った。セイラは横でうなづいている。
「えっ、どうして?」
「メニュー、わかんないから。」モネが言った。
「ごめん。そうだね。」僕はメニューのひとつひとつを説明した。
「あの~、薄めのカレーうどんを一つ。」近くの席の中年の女性が注文した。
「うっ薄めのカレーうどん?」僕は振り返ってその中年の女性を見た。
「ひさしぶりだな。」あの声だ。
「あの時の・・・・・。喫茶店に居た・・・・・。」僕は心で聞いた。
「そうだ。」
「しかし、いつも会話しているので・・・・・ひさしぶりとは・・・・・。」
「実像で現れるのがひさしぶりだ。」
「そうですね。」
「私も薄めのカレーうどん。」モネが言った。
「私も。」セイラが言った。
「あのね。カレーうどんというメニューはあるけど、薄めのカレーうどんというのは無いの。」
「でも、あの人は注文したわ。」
「大丈夫ですよ。薄めのカレーうどんを作りますから。」女将が言った。
「すいません。」
「おいしそうね。薄めのカレーうどん。」セイラが言った。
「カレーうどんってどんなのかわかってる?」僕は聞いた。
「わかるわ。カレーはわかるし、うどんもわかる。でも、どんな組み合わせで出てくるのかしら。」

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