Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.35

Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレード vol.35

World Message Magazine

 

「少しお待ちください。」アルベルト博士は、また一瞬目の焦点をはずし、遠くを見つめた。
「この映像をご覧ください。」急に部屋が暗くなり、壁面に映像が映し出された。
「これは?」1973年に制作されたブルース・リー主演の映画「燃えよドラゴン」のオープニング場面だ。
「ここです。」オープニングの一場面に、今日老人と出会った場所が映し出されていた。「COPACABANA」という看板も同じだ。
「ということです。」アルベルト博士は言った。
「どうりで・・・・・。」モネは感心しているようだ。

 翌朝、日本に帰る飛行機にモネも同乗していた。
「しかし・・・・・。」
「なに?」
「いや、妻にどう説明しようかと。」
「怒られる?」
「いや、そんなことはないけど・・・・・。」
「3時間のフライトだから、その間に考えたら?」
「・・・・・。」
 モネを連れて帰る言い訳より、妻がアンドロイドだと知ったことの方が重大だ。家に帰った時、いったいどんな顔で会えばいいんだ?
「浮気をしたと思うだろうな。」またあの声だ。
「やっぱり?」僕は心で答えた。
「おまえのことだ。妙に態度が変わるだろ?」
「ええ。たぶん。」もちろんそれは妻がアンドロイドだと知ったからだ。
「普通にしてろ。」

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