Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.23

Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレード vol.23

World Message Magazine

 

「結婚生活は幸せだった?」僕は聞いた。
「幸せだったわ。ごく普通の生活だったけど。いまから思えば、ごく普通の生活が一番幸せだと思うわ・・・・・。何度も殺された時以降の記憶を消したいと思ったわ。でも・・・・・。」
「忘れたいけど、忘れないことはあるよね。」
「ええ。記憶っていったいどういう構造なのか知っている?」
「いや。知らない。ただ、すっかり忘れていたことが急にすべて思い出したり・・・・・不思議だね。」
「私も疑問に思ったから、アルベルト博士に聞いてみたの。」
「それで?」
「記憶は魂の中にあると言ってたわ。」
「脳じゃないの?」
「脳はただのアンテナだって。魂の記憶をアンテナである脳が受け取っているって。」
「・・・・・。」
「だから、記憶が急に戻ったり、すぐに忘れたりするって。」
「つまり電波状態が左右するってこと?」
「そうみたい。」
「理解できるような話だな。僕は3歳ぐらいの時の記憶で今でも鮮明なものがあるんだ。」
「どんな?」
「その日は日曜日で家族で遊びにいくことになっていた。朝起きて、母が僕を着替えさせている時、カラスが山から鳴きながら家の上を通過したんだ。僕はそのことがうれしくて「カーカー」と真似て、母も横にいた父も大笑いした。でも僕の記憶は、そのことを第3者の場所から見ている記憶なんだ。まるで映画の1シーンを見ているような。昔のことだからビデオも無いし写真も残っていない。」

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