Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.14

Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレード vol.14

World Message Magazine

 

「ポルシェですか?」
 モネは微笑んだ。中国との国境近くの縫製工場に行くらしい。それにしてもモネの運転は素晴らしい。公道でポルシェをドリフトさせられるドライバーはそういない。それも運転しにくい964ターボ3・6だ。おまけにハイヒールで運転している。僕は助手席で感心していた。
 縫製工場に着くと入口には、スーツを着ているが兵士みたいな男達が立っていた。上着の中に大口径の銃を隠している。その証拠に皆左肩が下がっている。中に入り荷物用の巨大なエレベーターで地下へ向かった。地下5階ぐらいまで降りただろうか。エレベーターの扉があくと、そこは工場ではなくなにかの研究施設のようだった。
「お待ちしておりました。山野さん。」初老の男性が迎えてくれた。
「彼はアルベルト博士です。」とモネが紹介してくれた。
「いったい?」
「山野さん、こちらへどうぞ。」アルベルト博士は更に奥の部屋に入っていった。その部屋はソファとテーブル以外に何もないシンプルなインテリアだった。
「山野さんの中では現在は確か2008年でしたな。」
「何を言っているんですか? 私の中だけではなく世界中が2008年ですよ。」
「そう。そうインプットされていました。山野さんの脳は・・・・・。」
「インプット?」
「西暦2008年の日本の出来事は?」アルベルト博士は一瞬目の焦点をはずし、遠くを見つめた。
「インプットとはどういうことですか?」
「少しお待ちください。」アルベルト博士は相変わらず遠くを見つめたままだ。
「いったい?」
「2008年は天災も含めていろいろありましたな。2009年は更に加速して・・・・・。」

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