Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.11

Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレード vol.11

World Message Magazine

 

「解らんか? 牛や豚、羊、鳥など食材として生まれ飼育され殺されている。まるで工場で機械でも作るようにだ。」
「・・・・・そんなことは考えたことも無かった。確かにそうかもしれません。同じ生命なのに。」
「スーパーで見れば肉だ。だが、それは殺された動物のものだ。おまえが逆の立場だったらどうする? 計画的に誕生させられ、狭い檻の中で何の楽しみもなく、抗生物質入りの同じ食物を与えられ、大きくなったら殺され、解体されて肉になる。」
「許せないでしょうね。絶対に。」
「復讐するか?」
「できるのなら、するかもしれません・・・・・。」
「今の日本はそんな動物霊でいっぱいだ。消費大国だからな。消費するものがいなければ、殺されずに済むから生産者ではなく消費者を狙う。」
「はあ・・・・・しかし注意しろと言われても、どうしたらいいんですか?」
「今日出会った目の人間を無視しろ。なるべくな。」
「ごちそうさま。」と言い中年の女性は席を立った。
「次ぎは香港でな。」
「・・・・・はい。」僕は無意識に約束をしてしまった。しかし、この会話は何だったのだろう。
 中年の女性は、支払いを済ますと一瞬僕の顔を見た。その目は、今日出会った人の目とはあきらかに違う、確固たる意志を感じさせるものだった。

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