ほぼ連載小説 マスカレード vol.50(2008.9.6)

 翌日、妻がいないのでモネとセイラの3人で近くのうどん屋さんにいった。ここは老舗で常連客も多い。
「あ〜、いらっしゃい。」女将さんが笑顔で出迎えてくれた。
「こんにちは。今日は3人です。」
「あれっ、奥様は?」
「今、実家に戻っているので。」
「そうですか。」
「私はいつもので。」
「おふたりは何になさいます?」女将が聞いた。
「適当に注文してください。」モネが言った。セイラは横でうなづいている。
「えっ、どうして?」
「メニュー、わかんないから。」モネが言った。
「ごめん。そうだね。」僕はメニューのひとつひとつを説明した。
「あの〜、薄めのカレーうどんを一つ。」近くの席の中年の女性が注文した。
「うっ薄めのカレーうどん?」僕は振り返ってその中年の女性を見た。
「ひさしぶりだな。」あの声だ。
「あの時の・・・・・。喫茶店に居た・・・・・。」僕は心で聞いた。
「そうだ。」
「しかし、いつも会話しているので・・・・・ひさしぶりとは・・・・・。」
「実像で現れるのがひさしぶりだ。」
「そうですね。」
「私も薄めのカレーうどん。」モネが言った。
「私も。」セイラが言った。
「あのね。カレーうどんというメニューはあるけど、薄めのカレーうどんというのは無いの。」
「でも、あの人は注文したわ。」

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