Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレードvol.22

Message Kobe|メッセージ神戸 ほぼ連載小説マスカレード vol.22

World Message Magazine

 

「この曲は・・・・・。」
「ありがとう。気持ちよかったわ。」モネが出てきた。
「今、歌っていた曲は?」
「知らない。」
「えっ。」
「知らない曲を勝手に歌ってたのよ。知っているの?」
「ああ。」
「ホイットニー・ヒューストンの“I Will Always Love You”だよ。」
「そう。」
「短編小説に書いたんだ。」
「へ~小説も書くの?」
「頼まれたんでね。」モネはベッドに座って髪をふいている。どう見てもアンドロイドには見えない。いや見えないからアンドロイドなのか。そして長年、結婚生活を送っていた妻も犬もアンドロイドだったわけだから。
「結婚して何年になるの?」モネは唐突に聞いてきた。
「ちょうど今年で12年だよ。」
「お子さんは?」
「いない。」
「欲しくないの?」
「そうじゃないけど・・・・・。」
「私は時々左の乳首が痛くなるの。ここだけが生身の人間だから・・・・・。もしかしたら、殺されたときにお腹にいたあの子が触っているのかな。なんて思うことがある・・・・・。」
「・・・・・。」
「過去のことだけど・・・・・。リアルすぎるぐらいに鮮明に思い出すことがあるの。いいことばかりだといいけど・・・・・。」

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